No.4 ADR集団申立をしました

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ADR申立て報告(平成2472日) 文責:中村映利子

 本日,第1次集団ADR申立てを行いましたので,ご報告いたします。

1 申立件数及び申立総額

  本日,申立てを行ったのは,人数にして6世帯21人,金額にして総額161727977円です。

 

2 記者会見について

(1)    記者会見の概要

本日の集団申立てを受け,本日午後3時より,京都弁護士会館において,記者会見を実施いたしました。ADRの申立てを行った被災者の方2名,弁護団員10名が出席,報道機関4社が取材に駆けつけてくれました。

記者会見は,川中弁護団長による挨拶,出席した被災者の方1名による意見陳述,当該意見陳述に対する質疑応答,田辺弁護団事務局長による意見陳述,弁護団に対する質疑応答という流れで進められました。

(2)    被災者意見陳述の概要

簡単に,被災者の方による意見陳述の内容を記しておきます。以下,意見陳述をしてくださった被災者の方を「Aさん」とお呼びするようにします。

まず,Aさんは,避難を決意した経緯について話してくださいました。Aさんは,原子力発電所が爆発したことを無線アナウンスで知ったそうです。無線アナウンスでは,「窓を閉めてください」と放送されていたそうです。こうしたアナウンスを聞いたAさんは,ただただ子どもたちの健康のことを考え,子ども達の健康以上に優先するものなんかない,と避難することを決意されたそうです。

次に,Aさんは,今思っていること,望んでいることを話してくださいました。Aさんの発言されたことについて,いくつかご紹介します。

「いつか福島に帰ることができるのだろうか。」

「子どもたちに,再び,福島の自然を見せてあげることができるのだろうか。」

「普通の毎日を返してほしい。」

「今望んでいるのは,ただただ子どもたちの健やかな成長のこと。」

Aさんが今思っていること,望んでいることは普通の生活をしたい,原発事故以前の幸せに暮らしていた毎日を返してほしい,そうしたごく当たり前のことなのです。

最後に,AさんはADR申立てを決意した理由について話してくださいました。

「国は,本当に被災者のことをわかっているのだろうか」,「私たちの苦しみを忘れてほしくない」,そう考えて,AさんはADR申立てを決意されたそうです。

また,Aさんは,次のようにも話してくださいました。

「私がADRを申し立てることで,迷われている被災者の方々の背中を押すことができれば。」

   ADR申立てを決意してくださったAさん,意見陳述を決意してくださったAさん,私たちは,そのようなAさんの勇気に心を熱くされました。Aさんの気持ちに応えるべく,「今後とも被災者の方々への支援に邁進していきたい」,そのような思いを新たにしました。

 

3 お知らせ

722日,京都弁護士会館にて,無料相談会を実施します(時間は,午前10時から午後3時までです)。ご予約も受け付けておりますので,075-211-2270,京都被災者支援弁護団事務局までお問い合わせください。

本日の第1次集団申立てにより,京都に避難されておられる被災者の方々,そして我々弁護団の戦いは緒に就いたばかりです。そうした戦いの火を落とさないためにも,22日の相談会においては,数多くの方々のご来場をお願いしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

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このページは、弁護団が2012年9月17日 10:49に書いたブログ記事です。

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